絵空事だと思っていた 軌道敷の緑化

昔、雑誌の写真でドイツの路面電車の軌道敷が芝生で覆われている写真があった。線路といえば鉄鋼のレールと枕木、そして鉄サビで茶色になった割栗石がこんもりと盛られた鉱山のような無生物でドライなイメージだったが、それとは大きくかけ離れた明るく爽やかな雰囲気にひどく驚いた記憶がある。そのレールの車輪で磨かれたシルバーがかるブラウンと芝草のグリーンの色のコントラストに加えて、ハードな鉄という人工物が芝の柔らかな葉という自然に包まれている姿も魅力だったと思う。

そんなこともとうに忘れたころ鹿児島で路面電車の軌道敷の緑化が実現し 、熊本でも計画されていると聞いた。まあ実現は難しかろうと思っていたが割りとすぐに施工に入っていた。(緑のじゅうたん事業として2012年開始)酷暑が続き、車輌(自動車)の誤った乗り入れなどもありながら、2025年現在までおおむね綺麗に保たれている。 芝刈や潅水、除草、施肥など特に夏は夜間の潅水も度々必要となりコストも相当なものになるだろう。緑のじゅうたんサポーター制度という仕組みで個人や企業からの寄付を集め維持管理費に充てているとのこと。 施工から10年超を経過し、景観に溶け込むと同時に話題に登ることも少なくなった「じゅうたん」だが、私は見るたびに少しの安らぎを頂いているのは間違いない。

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