
佐賀市にある旧古賀家。明治時代の実業家の邸宅が保存、一般公開されている。

離れの茶室の入口に手水鉢がある。口の部分に水が溜まり、周囲に文字が刻んである。「口」と合わせて漢字にすると、右回りに吾、唯、足、知となる。
つまり「吾唯足るを知る」となり、禅の教えで「いつも満足であるという気持ちを持ちなさい」とう意味を示す。このことを知ったときには大変な感動を覚えた。
クロスワードパズル的な造形で「口」の部分に水が注がれるというのも面白く、さらには手と口を清める手水鉢が心にも働きかけてくることも素晴らしい発明だと思った。この水鉢は京都の龍安寺で造られたものが全国的に広がったのだという。
貪欲にならずに自分が今持っているもののありがたみを知る。満たされていると感じることで自分と他人を比べるなどして生まれる妄想と決別でき、安らぐことができる。悩ましいことが多いが究極はこれに尽きるのではないかと改めて感じた。
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