吊られた 木の魚

木で造られた魚。樹木と魚釣りが好きな私にとってはこの組み合わせはかなり惹かれる存在。吊り下げられて、とても穏やかな顔をしておられる。
ここは京都府宇治市にある萬福寺。日本の三大禅宗の一つ、黄檗宗の総本山である。この2メートル近い大きな魚は「開ぱん(木へんに邦)」(かいぱん)と呼ばれ、脇にかけてある木槌で「開ぱん」を叩く音で食事などの時刻を知らせるために使われている。
なぜ魚の形をしているかと言うと、昼夜目を閉じない魚は不眠不休を表し、「魚のように昼夜の別なく寝る間を惜しんで修行に励むように」という訓戒の意味を込めたことに由来するという。
そして口に丸い玉をくわえているが、これは「煩悩珠」(ぼんのうじゅ)と言われる「あぶく」で、仏教における三毒(貪欲・怒り・妄想)を表し、木槌で叩くことで腹から煩悩を吐き出させ三毒を浄化すると言われている。
この「開ぱん」があの丸い木魚の原型と言われている。

ところで、胴が中空で、口に丸いものをくわえた魚といえばやはりこちら↓

これで水面を叩いている時は、私もいつもより三毒が浄化されていることは恐らく間違いない。

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