釣耕園(ちょうこうえん)は熊本市西区にある庭園である。江戸時代に肥後細川家5代目当主・綱利(つなとし)が造った「お茶屋」と呼ばれる別荘の一つ。現在の所有者の好意で一般に公開されている。

この島崎の地は熊本城からほど近く、湧水に恵まれ山渓の美を鑑賞できることから、江戸時代詩文を楽しむ藩士達の清遊の地だったという。釣耕園の名は熊本藩の中老で漢詩人の米田波門が、その景観を「雲を耕し月を釣る(釣月耕雲)」と詩に詠じたことに由来する。
建物まわりに植栽された木々が背景の山と自然に繋がっている。山すそに流れがあり、浅い池になっているところもある。庭から続く飛石は池の中にも続いていた。

早春の様子。コブシが満開で他の落葉樹も芽出しを目前に控えて枝先がほのかに赤く色づいている。

建物には深い軒があり、軒下は四半敷き(斜め45°に石を配置する敷き方)の敷石で仕上げられており、ここをみるだけでも品位の高さを感じる。
園内は大半が木々に覆われており、うっそうとした雰囲気だが、この部分だけは南西側に開けており、建物に光を導いている。

上の写真は季節の進んだ5月のものだ。開けた所から縁側まで光が入り込んでいる様子もまた良いものだ。

敷石に設けられた溝の外側は氷紋(乱形)敷きとなっている。

こちらのモミジは細い枝だが結構な古木だと思う。古来からの丁寧な剪定のおかげか小刻みな波線状に伸びる枝が多く見られた。

園内はいわば「半自然」でほとんど人気のないが、軒下の手水鉢にハランが活けてあり、どなたかの意図を感じる「もてなし」を頂いて帰路についた。
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