清水寺本坊庭園

福岡県みやま市にある清水寺(きよみずでら)本坊庭園。室町時代、唐に渡り絵画や造園技術を学んできた僧である雪舟(せっしゅう)が造ったと伝えられる。
座敷から縁側が続き、その先に庭がある。室内の暗さが外の緑の明るさを引き立てている。
縁側からの眺め。心字池(しんじいけ)と呼ばれる「心」の文字形のように曲がりくねっている池がある。さほど大きくないにも関わらず一度に全てが見通せない形は奥ゆかしさを感じさせる。両脇をモミジなどの樹木で覆われたそのさきに、借景(しゃっけい)となる愛宕山がある。縁側から池までは芝生に覆われているが、山すそに近づくところからコケに切り替わっている。
モフモフと柔らかな印象のコケが林床に広がり、自然とフェードアウトしてゆく。この景に自然を感じ惹きつけられるが、このコケに覆われた状態は放置すると数年のうちに他の植物からコケが圧倒されてしまい変わっていくだろう、人の手を加えないと保てない2次的なものであることはおそらく間違いない。ただ私はこのような2次的な自然(半自然)の景観に強い魅力を感じることが非常に多い。

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