5月も後半となった。渓流のそばではエゴノキが満開となっていた。これほど多くのエゴノキがあったのかと思うほど、あちこちに白い花が咲き乱れている。
ヤマザクラなども花の時期は際立って目立つがその他の時期は目立たない。花が咲いている時期にその木が最も主張が強くなる、虫を呼び子孫を残そうとする生物としては当たり前のことなのかもしれない。
これまでエゴノキの花の香りを感じたことはなかったが、これだけの量が咲いているせいか、うっすらジャスミンのような香りを嗅ぐことができた。
下向きの可憐な小さな花を無数につけている。5枚の花びらは星状に開いており、その一個の花の形も整ったものになっている。
そして、たくさんの花が岩の上にも落ちていた。みずみずしいコケの緑にのった白い花もまた趣きがある。
またある所ではエゴノキの花が水面に落ちて、花筏(はないかだ)となっていた。水面の上ではさらに分かりやすい星形に開いていて、最期を迎えるまで漂っている。
花たちの大きな塊、小さな塊が様々な形を作っている。自然が無作為につくったものであるが、適度、適切に配分されていてほんとうにバランスよく感じる。自然界の配分はやはり恐るべきものだと感じさせられた。
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