ワークマン式「しない経営」

時折お世話になっているワークマン。個人向け作業服専門店だが、すでにタウンユース、アウトドアユースとしての利用者も圧倒的に多いと思う。

この本は60歳を過ぎて社外より専務に就任され、ワークマンプラスを立ち上げた方が書かれたものである。筆者は入社を打診されたワークマン会長から「何もするな、ただ見守ってほしい」と言われたこということだった。

読んで驚いたことが大きく3つあった。1つ目が主な製造メーカー(仕入れ先)に発注をしないということ、2つ目が社員の負担になることはしないということ、3つ目がエクセルを用いた商品管理を行っているということ。

1つ目の「発注をしない」については主要仕入れ先にはワークマン側からの発注はせずに、仕入れ先がワークマンのデータを見て種類や数量を独自で決定し出荷したものをワークマンが全量買い取りしているとのことだ。つまり仕入れ先に全てお任せしているというものだった。

2つ目の「社員の負担になることはしない」についてはこれほどの企業ともなると、さぞノルマや目標などによって社員は会社側から厳しく管理されているものと思っていたが、「社員の負担が増えてなっていたので新規開店の予定日を(大きく)延ばしました」ということが予定日頃に決定事項として現場から幹部へ報告が上がってきたこともあったという位、社員ファーストなのだ。

3つ目が「エクセル経営」というもの、複雑怪奇な独自の商品管理システムが構築されていると思っていたが、実にシンプルで個々がカスタマイズできるエクセルを用いたシステムで管理を行っているのだという。社員がこのエクセルの中から自らのカスタマイズの中で見出したリスト(売れ筋となっているがこの店舗に無いものリスト)を活用し、全社的に活用することになった事例があり、シンプルで融通が利くシステムだからこそ社員の自主性が発揮されているのだと思った。

これら3つの根底に共通して流れるものは「信頼」ではないかと思う。会社は社員や取引先といった相手を徹底的に信頼して、思い切って任せる。その信頼を感じた相手はそれに報いるべく自主性を遺憾無く発揮して見事なパフォーマンスをする。おのずと良い結果がでる。当たり前のようだが、簡単になし得ない最高に素晴らしい形であると感じた。

このような企業が我々の生活の近くにあって、海外の話でもない、しかも個人商店ではないところに驚いた。正直またワークマンが好きになった。


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