日々何らかの悩みがあると感じる私にとって、「悩まずにはいられない人」というタイトルに惹かれて思わず手に取った本である。
これまでにHSP関連やアドラー心理学関連の本をいくらか読んできたが、その中でも最も共感できた、というより腑に落ちた内容が多い書籍だった。悩まずにはいられなくなっているメカニズムについてかなり理解が進んだことは間違いないと思う。
多くの悩める人が、悩みを解決したいと言いながら、実は悩みを解決したいと思っておらず、悩みに依存しているという。
悩まずにはいられないのは幼少期に、ありのままの自分でいることが許されない人間環境で成長したことに原因があるという。そのような環境では安心できず恐怖感に苦しむ。その結果、自分を変えることを無意識に拒否することになるのだという。
「母親が幼児をあやすように私をあやしてほしい」、「自分は特別」というような幼児的願望を大人になっても持っており、それが満たされずに常に傷つき、その不愉快さを直接的に表現できない。文中に「基本的不安感があるということは甘えの欲求があるということである」という、手厳しいが完全に芯を捉えている一文があった。
そのような苦しい状況下でも、「変えること」より「耐えること」に居心地の良さを感じて依存し嘆いている。つまり成長の苦しみの先にある幸福よりも安心安全な不幸を選んでいる。
自らを憐れむ、悪口や愚痴が多い、そして他人がうらやましくて仕方がない、自分のみじめさを誇示して「誰も私の苦しみなんか分かりゃしない」と嘆き続ける。
自己不在で相手の態度がすべてになるため、相手の言動に対して超過敏になる。
まじめ、良い子であることで不安と恐怖から逃げている。そして親や相手から期待した反応が返ってこないと途端に不愉快になり、落ち込む。
植え付けられた恐怖感に気づくことなく、周囲の人を敵だと感じ、信頼できずに生きている。この檻に捕らわれていることに気づき、勇気をもって檻を出ることが、悩み続けることから脱却するために必要ということである。
最終章でその悩み続けることから脱却するヒントが書かれていたが、唯一欲を言えばこの部分をさらに厚くして欲しかったと感じてしまうのだが、究極はシンプルな考え方を信じて行動することが全てであるから、そこに分厚いノウハウなどを求めることが、そもそもの悩みを生み続ける元凶なのかもしれない。再び読み返してしっかりと理解し、良い人生に繋げたい。

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