テイカカズラ

川沿いの木から垂れ下がった蔓。花を咲かせており、見たことのない種類だと思い写真に撮り帰って調べると、なんとテイカカズラだった。
植栽されたテイカカズラと自然のものでこれほど形態が異なることに驚いた。私が知っているテイカカズラといえば下の写真のような深緑で円形に近い短い葉に葉脈がはっきりしたものだった。
調べたところ、自然のものとと植栽されたものでの違いではなく、生育場所による変化ということのようである。地面を這う葉ら小さく短い。また縁に鋸歯を持つ。一方、木などに巻き付いて、高い場所で生育する葉はと大きく長い。鋸歯もない。このように同じ種でありながら、生育場所によって別種のように大きく形態を変化させているとのことだった。

「テイカ」の名は平安時代の公家・歌人の藤原定家に由来する。式子内親王を愛した藤原定家が、死後も内親王を忘れられず、テイカカズラに生まれ変わって、内親王の墓に絡みついたという伝説に基づいている。

墓に絡みついたテイカカズラは見たことがないが、小さな小屋を飲み込むような勢いのあるテイカカズラを何度か目にしたことがある。

フジやクズなど直立する幹をもたない蔓(つる)のはびこる様子は目を見張るものがある。ジワジワと侵出してくる様子に執念や怨念のようなものを感じるのもうなずける。

「はびこる」は「蔓延る」という漢字になっていることを知った。また、「疫病がまん延する」の「まん延」も「蔓延」だった。「蔓が延びる」これ以上にふさわしい表し方はない。思う以上に蔓が日本語の中にまでも秘かに侵出していることに少し恐れを感じた。



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