低木 四種 の自然な納まり

熊本市北区四方寄(よもぎ)町にある、御馬下の角小屋(みまげのかどごや)。その母屋と蔵の間の通路。

そこにある樹木は自然に生えたものではなく、どなたかの意図で植えられたものだろう。建物同様に時間を経た「寂び」感をまとっているせいなのか、あまりに自然な雰囲気に思わず見入ってしまった。

手前にナンテン(南天)があり、その奥に手水鉢(ちょうずばち)がある。これは定番の組み合わせで、かつてはトイレで用を足した後、手水鉢で手を洗い、殺菌作用のあるナンテンで手を拭いていたという。その奥に斑入りのアオキ(青木)がある。この場に相応しいほっそりとした樹形をしており、葉の美しさが際立っている。

蔵の角には背の高いアセビ(馬酔木)があり、下枝がなく蛇行する幹が、この場でわずかな光を得て長年、細々と過ごしてきた様子が伺えて、場を巧みに演出している。その裏には初めてみる大きさのトベラ。これは鳥によって運ばれた種によるかもしれないように思える位置から生えていた。低木としてではなく中木としても成立するものなのだ。

資料館の床は、四角い切石を斜めに敷いた「四半敷き」のイメージをそのままに、150角のタイルで現代風にアレンジされていた。色合いも程良く、「なまこ壁」とも相性が良い。こういった再解釈やリメイクは好きだ。

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