2016年の熊本地震では、熊本城にも大規模な被害がでた。石垣とその上の櫓が崩れるなどして、復旧工事も震災後やがて9年となるがいまだ終わる気配はなく、相当な年月が掛かるという。石垣の石はナンバリングされて安置されている。地ごしらえをした上で、それらをパズルのように組んでいく様を想像するとその手間は確かに計り知れない。
監物台樹木園を見学した帰りに城内の北の外れに緑に覆われた石垣を見つけた。高さも古さも立派な石垣。写真奥の石垣は崩れているがこちらは傷みが見られない。もしかしたらこのツタのお陰で地震被害から石垣が守られたような気がしてならない。
オオイタビカズラだろうか。種類ははっきりしないが、子供のこぶし大ぐらいの青黒い実をつけたツタがブロック塀などに絡まり、飲み込むぐらいに繁茂しているオオイタビカズラの姿を時折みる。2メートル近い高さの古く劣化の進んだブロック塀がツタのお陰で地震でも倒れていない例もあったように思う。それとはまるで規模は比較にならないが、同じようにツタの蔓に救われているのかもしれない。
この蔓も5〜10ミリ程度だが、人の手ではとても引きちぎれそうにはない。熊本城内にも復旧工事で相当数のフトン籠と呼ばれる金属(亜鉛メッキの鉄線)製の網カゴ(フトンを畳んだくらいの大きさ)に10〜20センチ位の石(割栗石)をいれたものを階段状にならべるなどして土留めとしてある所も多い。この鉄線と割栗石、そしてツタと石垣の関係が同じように機能しているように思う。
石垣という自然物を加工して築いた人工物に、ツタという自然が絡みあい、意図せず石垣の機能性を高く保たせているというのがとても面白い。


コメント
コメントを投稿