九年庵

国の名勝に指定され、紅葉の名所としても知られる佐賀県神埼市にある九年庵(くねんあん)。佐賀の大実業家が別邸だった場所に九年の歳月を掛けて庭園を造ったことに因んで九年庵という名がついている。そのうえ公開されるのは11月中のわずか9日間のみという希少さにも惹かれて訪れたいと思っていた。現在は公開期間も少し長くなっており、春の青もみじの時期にも公開されている。

紅葉のベストシーズンに名所と言われるところへ「もみじ狩り」に実は行ったことがなかったことに今さら気付いた。
まさに紅葉のピークを迎えており、赤にオレンジにこれまで見た紅葉の中で、紛れもなくベストだった。ただ、最も良かったのはモミジそのものというよりも、モミジとツツジやコケとのコントラストだったと思う。色の対比とともに刈り込まれたツツジの景石のような形とモミジの奔放な樹形の対比も印象に残った。


石段やコケの上に落ちるモミジ葉。褐色でも風情はあるが、朱色ならではの美しさがある。

数寄屋と相成った様も極上である。茅葺きも当然のことながら「侘び寂び」を感じさせてくれるが、大実業家の別邸ということもあり、豪華で「寂び」感が薄いようにも感じてしまった。

対称的に、メインどころから少し離れた所にあった建物は程よい小ささで簡素な雰囲気に惹かれた。縁に、水鉢に、アセビ。私の好物三つ巴。意図せず自然と撮っていた。

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