

モッコク。小さな卵型の艶のある葉は深い緑を年中保っている。樹形も乱れにくく、古くから庭木として重要視されてきた。その名前はランの仲間である石斛(セッコク)に花の香りが似た木という意味で、木斛(モッコク)と名付けられている。

九州にも自生しているとのことだが、自生のものは見たことがない。造園木としてのモッコクは樹形、葉の色や形ともに立派、実直過ぎるようにも感じる。茶室に例えるなら書院の茶室で、個人的には少し侘びた草庵的な雰囲気も欲しいだけに、山中での細々とした様子なども見てみたい。「へうげもの」の古田織部の言葉を借りると、「甲に過ぎる、もそっと乙に」といったところだろうか。まあ庭木としてはこのような甲の存在があるからこそ、乙なものが映えるのだろうから、モッコクに「侘び」感を求めるのはやはり欲張り過ぎる。
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