閉ざされて気になる 青靖亭

熊本市北区の武蔵塚公園は一般に無料開放された施設であるが、その一角に門や塀、生け垣でしっかりと囲われ、立ち入りできない場所がある。
照明の門より覗くと、緩やかな曲線を描く通路の先に、木造の小さな建物が見える。配置や植栽で門から建物がわずかにしか見えないところが、奥ゆかしく、益々見たくなってしまう。園路脇もヤブランやコケで覆われ、大げさではなく、自然に、それでも荒れておらず「人の手(の介在)」を適度に感じさせる、良い雰囲気を醸している。

ここは青靖亭(せいじょうてい)という名が付けられた茶室となっている。熊本市へ予約すると利用が可能とのことである。中に入れないから余計に様子が気になり、手が届かないから余計に魅力的に見える。
側面の道路側から望む(覗く)。杉皮を貼られた外壁と銅板にうっすら緑青(ろくしょう)が噴いた雰囲気が相まって、時間の経過をかんじさせるが、建物自体はそれほど古くはなく、しっかりとしているように見える。飛石や灯篭もしつらえてあり、サブ動線も抜かりない。

公園に面する側は生け垣で覆われている。サザンカだったか。脇には石組みがある。今は涸れているが、以前はここを起点とした水が公園の池へ流れ込み、そして高低差のある園全体を巧みにつたう「流れ」となっていた様子である。こちら側からも茶室に向かう飛石が打ってある。

こちらからの眺めもまた良い。茶室は樹木に覆われ、本筋の通路へ飛石が続いている。灯篭も良い位置に程よい存在感で据わっている。

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