黄金の茶室

以前から訪れてみたかった佐賀県唐津市にある名護屋城博物館。茶の湯に興味が出てから、豊臣秀吉と千利休が造った「黄金の茶室」を復刻したものが展示されていることは知っていたが、このブログで以前書いた、日本画に使われた金箔の「渋さ」と「妖しさ」を体感して、さらに関心が高まっていた。
博物館に入ってすぐ目についたのは、竹で造られた茅葺きの草案風の茶室。
受付に断りを入れると中にも入らせてもらえる。床も揃えた丸い竹で造られており、歩きやすいとは言い難いが、非常に心地よい足触りである。
造られていくらが月日が経っているように思えたが、竹が眩いほどに青く艶めいている。何らかのコーティングや塗装が施されているのだろうかと思えるほどだった。個人的には竹が茅葺きと同様に、枯れて褐色となった様を見てみたいと思った。そうなると黄金の茶室との対比もより一層のものになるような気がする。
裏側の竹穂もやはり青さが際立っている。二本の竹が胴縁となっており、竹穂というラフな素材が非常に端正に納まっている。
中二階の床が印象的だった。御影石の敷石の一部を磨きで仕上げて、波のような意匠が造られてあった。何気ないところに手の込んだ趣向を凝らしてある。石の「削り」で、波の「しぶき」を表現してある。両者は異なるようで似たところがあるものである。


二階へ上がると、廊下がつづら折りになっており、その先に黄金の茶室がお目見えした。暗黒の中にスポットライトで照らし出されている。光る部分は豪華絢爛、時の権力者の栄華を余す所なく映し出しているようだったが、陰となる部分からは、やはり渋さと妖しさが感じられた。そして、この陰が光の強さをより一層のものにしていることも間違いないように思えた。

三畳に床の間が加わった広さとなっている。毛織物のような赤い畳や、同じく赤い桐の家紋が入った透け感のある障子も(金色と)巧みな相性の取り合わせである。この茶室が組立式で持ち出し可能という設計になっており、栄華も儚く無情であることを暗示するようで面白い。

棚や茶碗といった、御道具類もやはり金である。ただし、これらからは渋さや深みを感じることはできなかった。しかし、この障子が閉ざされた小間の中では、また別な表情を現すのかもしれない。

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